機械油やグリスなどの頑固な汚れを落としたい!作業服を上手に洗うためのポイント!

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自分や家族が仕事で使用した作業服を洗濯する際に、頑固な汚れに困っている方もいるはずです。特に、仕事で機械油やグリスなどを扱うため、油汚れになりやすい職場であれば、なおさらでしょう。そこで、作業服に付着した頑固な汚れを上手に落とすために、洗濯する際の手順やポイント等について、ここでは詳しく見ていきましょう。

そもそも作業着の汚れにはどんなものがあるの?

一口に作業服の汚れといっても、職種や仕事内容、あるいは現場環境ごとに、汚れの種類や原因などはまちまちです。

このため、作業服の汚れを効率的にしっかりと落としたいのであれば、あらかじめ汚れの種類や性質を知っておくことが大切です。同時に、洗濯すべき作業服がどの汚れに当てはまるのか、十分に把握しておく必要もあります。

まず、仕事場で作業服に付着する汚れとしては、大きく分けて次の3パターンがあります。その1つ目が、土や埃などによる泥汚れです。土木や建築あるいは農業といったような、主に野外の現場で作業服を使用した場合に、このような汚れが付着しやすい傾向があります。

2つ目のパターンとしては、油汚れが挙げられます。産業用のオイルやグリスといった液体油などを扱う作業現場で、このような汚れが目立ちます。例えば、機械メーカーや自動車修理工場の現場などを、イメージすると良いでしょう。

最後に3つ目は、皮脂や汗による汚れです。このパターンは特に作業服に限ったことではなく、日常生活で服が人体に触れていれば、どんなケースでも目にできる汚れです。しかし、悪臭のほとんどが、皮脂や汗などから繁殖した雑菌を原因としていることを考えれば、やはり作業服の汚れとしては見逃せないでしょう。

以上の3つの基本的パターンの他にも、塗装現場でのペンキ汚れや、食品工場での原材料による汚れ、あるいは鉄工所でよく見られる金属粉による汚れなど、個々のケースごとに特殊な対策を講じるべき汚れが幾つもあります。

いずれにしても基本的な汚れのパターンを理解した上で、どの汚れが作業服を洗濯する際にあてはまるのか、よく見極める必要があります。そして、その汚れに合った方法で、洗濯を始めることが肝心です。

作業服を洗い始める前に必要なこと

ここからは、具体的な洗濯の手順やポイントについて説明していきましょう。まずは、油汚れの落とし方ですが、洗い始める前に大切な作業があります。それは、必ず色落ちテストを行うこと。これをしないと、洗剤の種類によっては、作業服の色落ちや繊維の傷みを招きかねません。

色落ちテストではベンジンを使用し、外見では目立たない服の箇所に、軽く数回ほど押し付けてみましょう。もし、これで色落ちしてしまうのであれば、家庭での洗濯は中止して、クリーニング店へ持って行く方が無難です。

色落ちテストで問題がなければ、いよいよ作業服の洗濯を実行します。とは言っても、いきなり洗濯機へ入れてはいけません。油汚れはとても落としにくい汚れです。洗濯をするのであれば、最初につけ置き洗いや、必要であればシミ抜きまでする必要があることを知っておきましょう。

これらの作業の前に洗濯機で処理すると、汚れが落ちにくくなります。

つけ置き洗いする際のポイント

つけ置き洗いする際には、アルカリ性の洗剤を使うことが、最初の大切なポイントになります。通常、油汚れは酸性であるため、アルカリ性の洗剤の方が、汚れを分解するのに有効だからです。なお、このような洗剤はホームセンターなどに行けば、直ぐに見つけることができます。

もちろん作業服用の洗剤であれば、より安心でしょう。さらに、人体への影響や自然環境に配慮するのであれば、セスキ炭酸ソーダの粉末をおすすめします。市販の洗剤のように化学添加物や界面活性剤が入っていないので、肌荒れの心配もなく、またそのまま排水溝へ流しても環境への影響がほとんどありません。

また、重曹よりもアルカリ成分が強いので、油汚れには威力を発揮します。ちなみに、セスキ炭酸ソーダの粉末は、ドラッグストアや100円ショップでも販売しているので、探してみると良いでしょう。ここまで準備をしたら、実際に汚れた作業服のつけ置き洗いを開始します。

少し大きめのバケツや洗面器等にお湯を張って、先述した作業服用の洗剤やセスキ炭酸ソーダの粉末を溶かし込みます。お湯の温度については、汚れの落ちやすい40℃以上の高温がベスト。ただし、ヤケドには注意しましょう。

もし、機械油やグリスといった頑固な油汚れを落とすのであれば、ベンジンでシミ抜きをする必要があります。取れにくい油汚れの箇所に直接ベンジンをつけて、手で揉みほぐすように落としていきます。仮に、ベンジンがなければクレンジングオイルに中性洗剤を混ぜたものでもOKです。

また、作業服がデリケートな素材を使用しているのであれば、綿棒などで軽く叩きながら汚れを落とすと良いでしょう。

油汚れの作業服を洗濯する際のポイント

つけ置き洗いが一通り済んだら、作業服を水ですすいで洗濯機へ入れます。ここでも洗濯で使用するお湯については、40℃以上の高温がベター。また、洗剤については、牛や豚の動物性油脂やパーム油から作られた、高温対応の洗濯石鹸を使用するのが理想的です。

このタイプの洗濯石鹸であれば、洗濯機で頑固な油汚れもしっかりと落とすことが可能です。

もし、洗濯機でも汚れが落ちない場合には、さらに手洗いが必要になります。しつこい汚れの箇所に洗濯石鹸を直接塗りつけ、40℃以上の高温のお湯を使用しながら、揉むように洗うとスピーディーに汚れが落ちます。この方法は油汚れの他にも、泥汚れや食べ物の汚れ、あるいは血液等の汚れにも有効です。

つけ置き洗い、洗濯機による洗い、そして手洗いの3ステップによって、頑固な油汚れもバッチリ落とすことが可能になります。ただし、ここまでやっても汚れが落ちない場合には、素直にクリーニング店へ持って行くことが重要です。

無理して洗い続けると、衣類が脱色したり繊維が傷んでしまったりする恐れがあります。クリーニング店であれば、頑固な油汚れも専門的な技術で処理してもらえるので、安心して任せることができます。

作業服の臭いを消すためのポイント

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先述したように、悪臭の原因のほとんどが、皮脂や汗などから繁殖した雑菌によるものです。

したがって、作業服の臭いを消すには、雑菌をしっかり取り除くことが必要になります。そこでおすすめなのは、酵素系漂白剤を使用したつけ置き洗いです。やり方はとっても簡単。バケツや洗面器などに40℃以上のお湯を張った上で、そこへ酵素系漂白剤を溶かし、作業服を1時間ほど浸けておくだけです。

あとは洗濯機で普通に洗えば、しっかりと臭いを消すことができます。酵素系漂白剤は除菌や殺菌効果があるだけでなく、衣類の色落ちや繊維へのダメージがほとんどないので安心です。ただし、注意すべき点は、羊毛や絹といった動物性繊維の衣類に対しは、ダメージを与えるので使用できません。

さらに、ボタンやファスナーなど、金属性の材質にも化学反応を起こし、変形や劣化などを招くので避ける必要があります。